ブレーカの仕組みとは?誰でもわかる単相・三相などの電気の基礎

ブレーカーの仕組み panasonic

ブレーカの仕組みとは

もしも、ブレーカを選定してお客様に提供することになったなら、その仕組みと役割を理解しておく必要がありますね。

そして、正しくブレーカを選ぶためには、そもそもの電気の仕組みや遮断容量・極数素子数・単相・三相などの専門用語に関しても理解することは役に立ちます。

当記事では、ブレーカの仕組みと役割、電気の基本、ブレーカの種類、そしてブレーカ選定のための専門用語等について、その基本を知っておきたい人向けに解説していきたいと思いますので是非参考にしてください。

ブレーカの仕組みとは?

ブレーカ 仕組み

ブレーカは、電気を安全に使うために、電気の回路で起こる過電流※1短絡※2などの異常事故から電線を守るための安全装置として取り付けられる装置です。

※1 過電流とは、設計した値や安全に運用できる数値を超えてコントロールできない電流値のこと
※2 短絡(たんらく)とは、ショートとも呼ばれ、電気が決められた道を通らないで近道を通ることによって大電流が流れること

過電流はどうして起こるの?

主に過電流が起こる原因は2つあります。

一つ目は、間違った配線や機器の故障により短絡(ショート)した場合です。

二つ目は、電気機器の使い過ぎなど許容値※3以上の負荷がかかった場合に起こります。

※3 許容値は、配線や配線器具が焼損しない最大値のこと

この二つの現象は、家庭内で経験したことがある方も多いのではないでしょうか。

使用している電線の許容電流を超えて電気を流してしまうと、電線が熱を持ち外装が溶け電線そのものが燃えてしまいます。

そこで、もっとわかりやすく過電流を解説していきますね。

合わせて、漏電についても見ていきましょう。

過電流とはどんな現象?

例えば間違った配線とはどのようなもの?

自宅などでもよく見られる、たこ足配線がよい例ですね。

図1のような状態になっていると電線や器具の許容電流を超えて電流が流れてしまいます。

このような状態を過電流(オーバーカレント)と呼びます。

電線や配線器具が破損したり、発火する危険がありますね。

図1.たこ足配線(過電流)

ブレーカ たこ足配線 過電流

短絡ショートとはどんな現象?

短絡(ショート)するとなぜ大電流が流れるの?

まずは、正常時とショート時の電気回路をイメージしてみます。

図2.正常に流れている場合とショート時のイメージ図

ブレーカ ショート 正常時との比較

左図は正常に使用している状態、そして、電源コードなどが破れた時にショートした状態が右側の図で、黄色の矢印が近道をしていることがわかります。

具体的には、図3のようなケースですね。

電気ストーブのコンセントの電線(ケーブル)が熱等で破れ、コード内の2本の線が接触し、ショートした状態です。

図3.ショートの例1 電気ストーブのコンセントの配線が破れて線が接触した図

ブレーカ ショート 電気ストーブ

ケーブルに穴があいて2本の線が接触を起こした場合、図4のように抵抗(R)がほぼなくなってしまうわけですね。

図4.抵抗がほぼなくなったイメージ図

ブレーカ ショート 抵抗なくなる

もう一つの例として、図5のように電源タップの水をこぼした場合にも同様に水により本来絶縁する必要のある線がつながってしまい、短絡(ショート)してしまいます。

図5.ショートの例2 電源タップに水がかかりタップ内の線が水を通して接触した図

ブレーカ ショート 電源タップ

抵抗がほぼ0に場合に、流れる電流はどうなるのでしょうか?

ここで学生時代に習ったであろうオームの法則で理解することができます。

図6を見てください。

図6.抵抗がほぼ0の場合に流れる電流のイメージ図

ブレーカ ショート 大電流 理由

通常家庭用のブレーカでは、東京電力でも10A~60Aなので、1111Aがいかに大きな数値であるかがわかると思います。

短絡(ショート)すると抵抗値が下がり結果として多くの電流が流れるんです。

短絡(ショート)するとなぜ大電流が流れるの?の答えは上記のような理由になります。

いずれも場合によっては火事になることもあるので大変危険です。

ブレーカは火災予防として重要な役割を果たしています。

漏電ってどんな現象?

ブレーカには、過電流を遮断する機能の他に、漏電※4を検知して遮断する役割を持つ機器もあります。

※4 漏電とは電気が本来通るルートを外れて流れる状態のこと

実際に漏電するときのイメージは、図7のように電気機器(例:洗濯機)のコードの配線が破れて、水に濡れていた時に起こった状態と考えるとわかりやすいですね。

図7.洗濯機が水に浸かり漏電するイメージ図

ブレーカ 漏電 現象

漏電は感電や火災の原因となり、最悪の場合、感電すると命を落とすケースもあります。

そのような状況を回避するためにブレーカが使用されます。

ブレーカ 豆知識

ブレーカの引き外し装置について

ブレーカの引き外し装置とは、ブレーカの内部にある装置で異常電流を検出し、自動的に遮断(トリップ)するための装置です。

< Panasonic 安全ブレーカHB型(熱動式)の動作原理 >

- 通常(ON)時 -

ブレーカ 引き外し装置 通常時

※ ラッチ(かけ金)をテコの支点として、ブレーカの接点を閉極

ブレーカ 引き外し装置 矢印

- トリップ時(異常事故による遮断) -

ブレーカ 引き外し装置 トリップ

※ 過電流により、バイメタルが過熱されて、わん曲しラッチ(かけ金)がはずれる ⇒ ブレーカの接点は開極

① ブレーカは事故時にハンドルを抑えても自動的に遮断される(トリップフリー機能)
② ブレーカ内部の接点は、1極でも電路の以上が発生すると、すべての接点が同時に開放される

ブレーカ 引き外し装置 矢印

- OFF -

ブレーカ 引き外し装置 OFF

※ バイメタルが元の状態になって、ハンドルがOFFの位置に戻り、再投入が可能となる

参考:BCW型とBJW型など一般にブレーカはトリップ時にハンドルが中立状態になります。この場合に、再投入するためには、いったんOFF位置にハンドルを戻して(リセット操作)から再投入を行います。

引用元:Panasonic よくある質問

なお、引き外し装置には、熱動式(バイメタル方式)の他に、電磁式、熱動・電磁式などがあります。

< 三菱電機 引き外し装置 >

電圧引き外し装置(SHT)

ブレーカ 仕組み 引き外し装置(SHT)

電圧引き外し装置とは、接続している端子やリード線に規定の電圧を加えることによりブレーカを遮断(トリップ)する装置です。

三菱電機ではこの装置のことをSHT(シャントトリップ)と呼びます。

・SHTの定格電圧

メーカーや機種によって使用可能な電圧は変わりますが、電圧引き外し装置のコイル電圧の定格は一般的に以下の通りです。

実際に使用の際には仕様を確認して適切な定格電圧を選びましょう。

AC(直流)の場合 100〜120V、200〜240V、400〜440V

DC(交流)の場合:100〜125V

・SHTの許容操作電圧範囲

通常各メーカーともにSHTの許容操作電圧範囲は定格電圧の70% ~ 100%で規定しています。

電圧引き外し装置にかける入力電圧が電圧の降下などで低くなってしまうと、正常に動作しない可能性があり、特に定格最小値は70%を下回らないように十分な注意が必要です。

不足電圧引き外し装置(UVT)

ブレーカ 仕組み 引き外し装置(UVT)

不足電圧引き外し装置とは、制御電源が一定の電圧以下に低下した場合に、自動的に遮断器を引き外す装置です。

電圧が吸引電圧以上(定格電圧の85%の一定固定)に回復すると遮断器は再投入できます。

三菱電機ではこの装置のことをUVT(アンダーボルテージトリップ)と呼びます。

・UVTの定格電圧

電圧引き外し装置とほぼ同様にメーカーや機種によって使用可能な電圧は変わりますが、電圧引き外し装置のコイル電圧の定格は一般的に以下の通りです。

この場合にも使用の際には仕様を確認して適切な定格電圧を選びましょう。

AC(直流)の場合 100〜120V、200〜240V、400〜440V

DC(交流)の場合:100〜125V

・UVTの許容操作電圧範囲

メーカーによって若干の差異はありますが、不足電圧引き外し装置は、印加(電気回路に電源や別の回路から電圧や信号を与える事)されている電圧が定格電圧の70% ~ 35%まで低下した時に動作します。

そして、一旦動作をすると、定格電圧の85%以上になるまで印加されている電圧が戻ってこないとブレーカを再投入することができません。

家庭等のブレーカの役割

ブレーカの仕組みと役割を理解するには、家庭用の分電盤を見ると理解しやすいです。

まず、電柱から家庭などに電線が入ってきます。

この時に電力会社の設定で上限が決まっており、それを超えると電流が遮断されます。

そして、次に電流は漏電ブレーカーに入ります。

漏電ブレーカーで電流の総量がオーバーすると遮断されます。

最後に安全ブレーカ(子ブレーカ)に配線が分かれていきます。

繰り返しになりますが、ブレーカには過電流などが起きて配線が溶けて火災を起こすようなトラブルを防ぐ役割があるわけです。

ブレーカには電力会社などによっても違いがありますが、一般的な例として下記の図8を参照してください。

図8.分電盤内のブレーカの配置と配線

ブレーカ 分電盤 配線図

1.サービスブレーカ

電力会社が取り付けるもので総量を制限するために設置されています。

この図では、30Aまで使用できることがわかります。

※ 地域によってはサービスブレーカが付いていないところもあります。

2.漏電ブレーカ

漏電ブレーカのメインの機能は、電路内に漏電が発生した場合に遮断されることです。

分電盤の主幹で使われている漏電ブレーカ(ELB:漏電遮断器)は、主幹であるので各子ブレーカの総容量が主幹容量をオーバーすると遮断されるのに加えて、各回路のどこかで漏電した場合にも遮断されます。

3.安全ブレーカ

子ブレーカとも呼ばれています。

図8は後ほど解説しますが、単相3線式という一般的なブレーカの接続です。

 

知っておきたい電気の基礎知識!

ブレーカ 仕組み

ブレーカを選定する場合、電気に関するある程度の知識が必要です。

まったく電気に関する知識がない場合、正しいブレーカの選定ができず、トラブルにつながってしまう可能性があるからです。

逆に言えば、電圧や電流について、正しい知識を知っているだけで、より的確に状況に適したブレーカの選定が可能になります。

ブレーカをはじめ電気に関する機器を扱う上で最低限知っておくべきことは、電気の単位に関するものです。

電力量W(ワット)

W(ワット)は電力量と言われる単位です。

ちなみに身近なところでいうと、電力料金は1時間あたりに何W(ワット)使ったかで電気料金が決まるなど誰ででも関わっている単位です。

電力料金は全国統一されていない?

日本には電力会社が10社もあり、それぞれの地域で独自に料金形態が変わります。

大きく分けると2つのパターンに分類されます。

パターン1

料金形態 基本料金 + 電力量料金
地  域 北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・九州電力

★ 例えば東京電力では基本料金を契約アンペア(A)とし、10~60Aを選択できます。

パターン2

料金形態 最低料金 + 電力量料金
地  域 関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力

電力会社によって、多種多様な料金形態があるため、詳細は各電力会社のホームページを参照してください。

電圧V(ボルト)

電圧とは電気を押し出す力を示したものです。

一般の家庭で使われている電気の電圧Ⅴ(ボルト)は、通常100V(使用する機器により200Vの場合もあり)です。

電流A(アンペア)

電流は電気の流れる量です。

配線の容量、ブレーカの容量などはこの電流Aで表示されます。

それぞれの関係は、 =A×Ⅴ (A=W / V)

ブレーカが遮断される条件は、ブレーカーの許容容量A(アンペア)を超えた時になります。

具体的にはどんな時?

一つの例として、100Ⅴの環境下で炊飯ジャー:1300Wとドライヤー:1200Wを同時に使用したとしましょう。

 

電化製品 電力

炊飯ジャー 1300W/100V=13A     ドライヤー 1200W/100V=12A

合 計 13A+12A=25A

一般的なブレーカ容量を20A(アンペア)とすれば、この状態で

25A(アンペア) > 20A(アンペア)

となり、ブレーカーが落ちて(遮断)しまいます。

現実は容量以下でも落ちることがある?

ただ、実際には、電化製品で使用される電流(アンペア)が20A以下でもブレーカが落ちる場合もあるので注意が必要です。

その原因は、力 率 です。

あまり聞きなれない言葉ですが、交流の電気を使う機器では、実際に流れる電流と消費電力から計算で求めた電流が同じにならないことがあります。

家庭などで使用されている電力は交流電力で電圧と電流には実行値※5があり、位相差※6があります。

※5 実行値とは交流は直流と違って電圧が変化するため抵抗器に交流を流した時、電力が平均値を取る瞬間の電圧や電流のこと

※6 位相差は周期運動の中で起こるズレのことで、交流の場合に差が生じて起こる現象

高校?の物理で習うような公式で、ちょっと難しいですね。

交流電力をPとし、電圧と電流の実行値をそれぞれ、VとA、その間の位相差をθとすると次の式で表されます。

P=VAcosθ(W)

このCOSθを力率と呼び、 力率=P/VA=有効電力/皮相電力 で表されます。

力率はJISでも決まっており、扇風機や掃除機もモータが使用されているので、モータの力率である「0.8」を考慮する必要があり、ここを見落とすと予想していない状況でブレーカが落ちてしまいます。

計算式でいうと、A=W / Vの数式の中で、分母のVが「V×0.8」となるため、使用されるA(アンペア)は、1÷0.8=1.25倍となりますね。

つまり16Aになると、計算上は16A×1.25=20Aとなり、力率が0.8であれば、16Aを超えるとブレーカが落ちることになるわけです。

とりあえず現実には小さい電流でも許容値を超えてブレーカが落ちると覚えるといいかも

ブレーカの代表的な5つの種類

ブレーカとその役割などでいくつかの種類があります。

ニーズに応じて適切なブレーカを供給するために主なブレーカの種類をまとめてました。

  • 安全ブレーカ
  • サーキットブレーカ
  • 漏電ブレーカ
  • 小型漏電ブレーカ
  • ケースブレーカ

の5つです。

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1.安全ブレーカ

安全ブレーカ

安全ブレーカは配線用遮断器※7の中でも、10A~30Aの小電流回路を保護するためのブレーカを指します。

※7 配線用遮断器とは回路に流れる電流が一定以上になると電流を遮断し、回路や電線を保護する機器

住宅用分電盤の分岐回路で多用され、定格遮断容量は配線用遮断器よりも小さく1.5kAまでが保護範囲となります。

分岐回路とは、電柱から引き込んだ電路を電気機器に分けるために、太い幹線から枝分かれして各部屋などへ振り分るための回路のことを言います。

安全ブレーカは電力用ヒューズと同じく過電流をすぐに遮断できますが、電力ヒューズよりも動作時間は遅くなります。

繰り返し利用できるという利点がありますが、漏電に対する保護する機能はなく、漏電機能が必要であれば漏電保護機能付き安全ブレーカ等を選定する必要があります。

警報スイッチ、補助スイッチなどの特殊仕様も存在しないため、用途は限られますが、汎用の配線用遮断器よりも小型で安価に手に入ります。

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2.サーキットブレーカ

安全ブレーカ

安全ブレーカと同じで呼び方が違います。

分電盤から各部屋へ続く回路毎に取り付けられているもので、一番使用頻度の高いブレーカです。

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3.漏電ブレーカ

漏電ブレーカ

漏電ブレーカも基本的には安全ブレーカと同じですが、機器や配線からの電気の漏れに対して安全に保たれています。

電路は常に絶縁の状態にしておく必要がありますが、絶縁の機能が低下した場合に電流が外部に漏れてしまうことがあり、これを止める役割を持っています。

どれだけ漏れていたら遮断するかは、15mA 30mA 100mA(mAはミリアンペア)と使う機器によっては正常でも電流が漏れるものもあるので、用途によって使い分けが必要になります。

ブレーカ(配線用遮断器)と仕組みが似ていますが、電路に異常な電流が流れた際に回路を遮断して回路や機器を保護することに対して、漏電ブレーカはアースへの漏電を検出した際に回路を遮断して地路による感電を防止します。

漏電ブレーカは回路内の行きと帰りの電流絶対値の差を検知し、一定以上の差になった時に回路を遮断するという仕組みになっています。

漏れる例としては、
・電線が破損しており、被服(外装)が破けて電線がむき出しになっている(図7)
・コンセントや機器が濡れている(図5

水は電気を通すので、機器やコンセントの電気が流れている部分が濡れていると電気が流れて感電や漏電につながります。

サーキットブレーカ(安全ブレーカ)と漏電ブレーカの見た目の違いや注意点は?

では、具体的に、サーキットブレーカと漏電ブレーカはどうやって見分ければいいのでしょうか?

メーカーによって違いはありますが、漏電ブレーカには図9のような漏電表示ボタンがあり、漏電が起こった場合、ボタンが飛び出す仕組みになっています。

図9.漏電ブレーカの漏電表示ボタン

漏電ブレーカはサーキットブレーカ(子ブレーカ)と同じように電流が許容値を超えた場合にも遮断されます。

その機能に追加して漏電が起こっても同じように漏電ブレーカは電流を遮断しますが、レバーが下がった状態、つまり、図10のように落ちた状態(OFF)になっているだけでは、どちらの原因で遮断されたのか判断できません。

図10.ブレーカのレバーの状態

ブレーカ レバー 状態

また、漏電ブレーカの動作でよくあるケースが、レバーが下がった際に漏電表示ボタンの状態を見ずにレバーを元に戻していしまい、原因がわからくなる場合で、慌てて戻さないように注意が必要です。

子ブレーカを漏電ブレーカにする方がブレーカが落ちる原因を特定しやすいですが、費用の問題もあるので、用途に応じて使い分ける必要があります。

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4.小型漏電ブレーカ

小型漏電ブレーカ

通常の漏電ブレーカとで電気的には同じですが、文字通りコンパクトな小型サイズで安全ブレーカと同じサイズに統一されたタイプもあります。

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5.ケースブレーカ

ケースブレーカ

安全ブレーカ・サーキットブレーカと同様に配線用遮断器で、手元開閉器や増設用として使えるボックス入りのブレーカです。

さまざまな施工形態に対応しており、屋内用、屋外用、プラスティックボックス、スチールボックスなど設置場所に応じています。

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正しく選定するために専門用語を理解する

ブレーカのカタログなを見ると機器特有の専門用語が出てきます。

商品を選定する際に最低限知っておかなければならない用語を解説します。

アンペアフレーム(AF)

ブレーカの対象規格であるJIS規格では「フレームの大きさ」が決められています。

その容器の大きさをアンペアフレーム(AF)と呼びます。

定格使用電圧・絶縁性能・温度上昇・定格遮断容量などの遮断器の諸機能に関連する動作機構を同じ寸法の容器に収めることができる最大の定格電流の値を指しています。

定格電流

その漏電遮断器が持続的に使用することができる回路電流の上限値を指します。

過電流保護(OC)付漏洩遮断器の場合は、その数値を超えると遮断します。

定格感度電流

その数値を超えると遮断する漏電電流の値を指します。

単位はmA(ミリアンペア)

遮断容量

遮断容量とは、ブレーカが故障をせずに遮断できる最大故障電流です。

また、定格遮断容量(Interrupting Capacity)では、以下の3つの条件によって流れる電流の大きさが決まります。

・トランス容量(KVA)が大きい
・トランスに近い
・電線が太い

※6 トランスは電圧を自由自在に変えられる装置

JIS協約形

JIS(日本産業規格:Japanese Industrial Standardsの略)規格で定められた形状に準じたブレーカで、JIS協約形といい、各メーカー間の取付の互換性があります。

極数素子数 及び 単相・三相

極数素子数や単相・三相はブレーカのカタログの中でも、必ず出てくる用語で理解が必要です。

① 素子数とは

P(Pole:ポール)は、ブレーカにおける極数の数で表します。
極数は電極(端子)の数を表しており、配線の種類に応じて適切な電極のブレーカを選定する必要があります。

E(Element:エレメント)は、過電流検出素子※8の数で表します。
単に素子数とも呼び、極数の中でも過電流を検知できる端子の数を表します。

※8 過電流検出素子とは、電源出力端子から出力される出力電圧があらかじめ設定されている値以上となった時に検出する素子のことで、その数をEで表す

例としては、

・三相3線式は極数が3で3P、過電流検出素子数が3個の3Eで、3P3Eのブレーカ

として記載されます。

中には2P0Eのように過電流検知機能がなく、メンテナンス時の停電作業用に用いられ、単にスイッチとして使われているもももあります。

ブレーカの極数・素子数の例を表1にまとめていますので、参考にしてください。

表1.極数と素子数と利用例について

種 別 機 能 概 要 利 用 例
3P3E 極数3 素子数3 3相3線式(電圧の本数=素子数=3)
3P2E 極数3 素子数2 単相3線式200V(電圧線の本数⁼素子数=2)
電柱から家庭に電力供給するラインの遮断器
2P2E 極数2 素子数2 単相2線式200V(電圧線の本数=素子数=2)
家庭用のエアコンの遮断器など
2P1E 極数2 素子数1 単相2線式100V(電圧線の本数=素子数=1)
家庭用の遮断器など

② 単相・三相について

単相とは

主に一般の家庭で利用されている電気交流です。相交流のために利用される電線の数は2本で、1本は電気を受けるもの、もう1本が電気を送るに交互電気が行き交います。配線の数が少なく電圧も100Ⅴ・200Ⅴと低く安全です。

三相とは

三相は単相と比較すると少ない電流で電力が得られるため、電気の損失が少なく多くの電気を使用する工場で使われることの多い電気交流です。

3つの波形が常に流れているので、モーターを起動するときに配線を正しくつなげば常に同じ方向
モーターを回転させることができます。安全性は単相と比較すると劣ります。電圧は200Ⅴのみ

単相100V・単相200V・三相などでコンセント形状が変わるんですね。

コンセントには電圧や接地の有り無しで多くの種類があります。

参考に、単相100V・単相200V・三相200Vの代表的なコンセント形状と電圧は表2の通りです。

表2.単相100・200と三相200Vのコンセントの種類

種 別 接 地 極 コ ン セ ン ト 形 状

単 相

100Ⅴ

一 般 ブレーカ 単相100V 一般 125V15A ブレーカ 単相100V 一般 125V20A
接 地
極 付
ブレーカ 単相100V 接地極付 125V15A

単 相

200Ⅴ

一 般 ブレーカ 単相200V 一般 250V15A ブレーカ 単相200V 一般 250V20 ブレーカ 単相200V 一般 250V30A
接 地
極 付
ブレーカ 単相200V 接地極付 250V15A ブレーカ 単相200V 接地極付 250V20A

三 相

200Ⅴ

一 般 ブレーカ 三相200V 一般 250V15A ブレーカ 三相200V 一般 250V20A ブレーカ 三相200V 一般 250V30A
接 地
極 付
ブレーカ 単相200V 接地極付 250V15A ブレーカ 単相200V 接地極付 250V20A ブレーカ 単相200V 接地極付 250V20A

③ 単相2線式と単相3線式の仕組み

単相2線式の仕組み

ブレーカ 単相2線式 配線図

電圧線と中性線の2線で構成されています。中性線というのは大地に接続されているので電位は0で、電線と中性線の間の電圧は100Vになります。電圧線と中性線の間にコンセントを接続して電気機器を使う形になります。

単相3線式の仕組み

ブレーカ 単相3線式 配線

電圧線と中性線の間はそれぞれ単相100Ⅴの電圧を使うことができます。

両端の電圧線では、単相200Ⅴの電圧が使えます。単相100Vの回路が2つありますが、バランスよく使うことで中性線に流れる電流を小さくすることができます。

どんなイメージが図があるとピンとくるんだけど。

図11.単相3線式のイメージ図
ブレーカ 単相3線 イメージ

図11のように100Ⅴの家電製品を使うときは電圧線と中性線と電圧差を利用します。

つまり100Ⅴです。

そして、エアコンのように200Vの家電製品の場合には、2本の電圧差200Ⅴが使われるわけです。

参考 単相3線式で中性線が設置される理由

接地を図2ではなく、下図の図3のようにCの電線を接地した場合、A-B間の電圧は100Vですが、Aの電線には接地に対して常に200Vの電流がかかっていますので非常に危険です。

そのため、中性線が接地されます。

ブレーカ 単相3線式 設置

 

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まとめ

この記事では、ブレーカの仕組み、電気の基礎、ブレーカの種類、知っておきたい専門用語について、できるだけわかりやすく記載をしました。

カタログから商品を選ぶ時に少しでも参考になればと思います。

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